WORKER働く人を知る

働きながらでも資格が取れる施設

主任相談員(正社員、時短勤務)平口 愛美

この人が職場に来ると「今日も大丈夫」という感覚になります。それくらい仕事に対する責任感が強く、任せられる存在です。一児の母。

「あぁ、おばあちゃんが居たところだ。」

正直言って、私の場合は結果的に介護の仕事についたといった感じです。もともとは家業を継ぐか、商社などで働くつもりで経営学を学ぼうと思い大学に行きました。ただ、私が小学生の頃に祖母が認知症を患い、常に介護をする両親やヘルパーを見て育ってきたので、潜在的に介護に興味はあったと思います。2年生の夏休みの資格講座でヘルパー2級・ガイドヘルパーの講習があることを知り、将来役に立つかも?と資格を取得しました。

就職活動を始めたのは3年生の夏。大学のあった愛知県での就職活動で、3社の内定ももらっていたのですが、女性が一人暮らしをしながら働くとなると、手元に残るお金がほとんどなかったのです。男性は独身寮などがあるのに、女性はそういう待遇をしてくれる会社が少なく、それなら地元に帰って就職活動してみるのもありかも?と敦賀での就職活動を始めました。

そんなときに母親がハローワークからもらってきてくれた募集要項の冊子に、敬仁会の文字を見つけました。最初は“あぁ、おばあちゃんが居たところだ。懐かしいなぁ”といった感じだったのですが、なんとなく昔施設に面会に行っていた当時の記憶がよみがえり、介護ってありかもなぁと思ったのです。最初は現場職員として働くなんていう考えは全くなく、事務職員の枠で面接の申し込みをしました。面接時、当時の施設長に「現場を知らないと、事務もできない。現場を経験してみたらどうか?」と言われたのは今でもよく覚えています。そういわれて嫌だなぁとは思わず、“そうか、現場を経験するとわかることがいろいろあるのか”と素直に「はい」と返事したことも覚えています。
なので、介護の仕事をしようと思って、というよりは自分の感情に従って流れのままに今の仕事に就いたといった感じです。

何年も前に亡くなった祖母のことを多くの先輩が覚えてくれていて、
そのときの話をしてくれたのも嬉しかったです。

ただ、大学で好きに生活してきた私にとって、三交代勤務に体を慣らすのがしんどかった。そして、仕事のオンオフも下手でした。休みの日も利用者さんのことが気になるし、夜寝ていてもコールが鳴っている気がして寝られなかったり…体が慣れるのに半年くらいかかったような気がします。でも、利用者さんに名前を覚えてもらったり、だんだんと必要としてもらえるようになることがうれしくて、1日1日があっという間に過ぎていきました。
「私にこの仕事ぴったりかも」と家族にも話したこともあります。

責任を感じましたし、その責任感が心地よくもありました。

そうこうするうちに、初めて居室の担当を任されました。4名のご利用者がいる部屋を1つ任せてもらったのですが、居室に自分の名前が貼られたのを見て、すごく責任を感じましたし、その責任感が心地よくもありました。「私が誰よりもこの4名の利用者について知っていたい」「家族にいろんなことを伝えたい」と、勤務の日にはできるだけ担当ご利用者と関わる時間を多く持つようにしていたのですが、そんなときにその担当ご利用者の一人が「松山さん」と名前を呼んでくれたんです。いつもは「ねぇちゃん」と呼ばれていたので本当に感動しました。この方の人生のほんのちょっとの部分に私の名前を刻んでもらえたんだなぁと思うとうれしかったのを覚えています。

新人の頃、仕事のオンオフの使い分けもできない自分にとっては、利用者さんの死と向き合うことが私にとっては一番大変でした。常に利用者さんのことを考える日々を送っていたので、利用者さんに感情移入しすぎていたんです。なので、初めて利用者さんが亡くなった時に、職場でこそ泣かなかったものの、自宅に帰ってから大泣きしました。次の日からしばらく「元気ないなぁ」と利用者さんからも言われるほど暗い顔で仕事をしていたようです。仕事をしながら上の空な感じでした。そんなときに先輩から「利用者さんが亡くなったことは悲しいけど、それであなたが元気をなくして、他の利用者さんの介護がおろそかになることは間違っている」と言われてハッとしました。
それからは、ここで人生の最後を過ごせてよかったと思えるような介護をしようという考えに少しずつ変わっていきました。
仕事の内容のことで言えば、全部大変です。人の命や生活をお預かりしているので、それはあたりまえだと思っています。でも、その大変な毎日をいかに楽しく過ごすかは自分次第だなぁと思います。

利用者に指名される生活相談員になりたいなぁと思っています。

利用者さんは、市内にあるさまざまな施設から、サービス内容などを見て“ここに行きたい”と決めておられますが、その基準の中の一つなれたら最高だなぁと思っています。そのために、知識や教養はもちろん、ご利用者や家族の困りごとなどに真摯に対応して、この人に任せたら大丈夫と思ってもらえるように努力しなければと思っています。

いま、介護の仕事を考えている方へのエール

介護の仕事は、決して甘い仕事ではありません。人の命や生活を支えていく、本当に本当に重要な仕事です。だからこそ、やりがいもあるし、たくさんの喜びもある。介護は一人でする仕事でなくチームでするものです。だから大変なことも仲間と一緒に乗り越えていけばいい。敬仁会にはしっかりとした教育システムと、頼りになる先輩がたくさんいます。

不安なことはたくさんあると思いますが、興味があるなら飛び込んでみたらいいと思います。私のように、ほんのちょっとのことがきっかけで介護の世界に入ったのに、「この仕事、私にぴったり!」なんてことになるかもしれません。

私は、介護についてほとんど無知の状態からこの世界に入りましたが、私の同期はほとんどが、介護の学校を卒業して入社してきた人ばかりでした。だから、新人時代は誰よりもわからないことが多かったです。資格もヘルパー2級があるだけなので、正直劣等感も感じていました。でも、何も知らないからこそ、知りたいことがたくさんあるんですよね。そんな気持ちが原動力となって、働きながら勉強したり、通信教育を受けたりして今の資格を取得しました。
働きながらでも資格が取れる施設なんです、ここは。努力次第では無資格で入っても主任にだって管理者にだって、施設長にだってなれます。
文章では伝えきれない魅力がいっぱいの場所です。ぜひ私たちと一緒に働きませんか?

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